ラッピング
「サンタさんへプレゼントのお願いした?」
と質問したのをきっかけに兄弟姉妹は盛り上がり、あれが欲しいこれがいいと騒ぎはじめた。 プレゼントへの高まる期待がそうさせたのか、突如娘は自分の消しゴムを折り紙で丁寧にラッピングしはじめる。
それを見ていた次男はマネしだし、チョコボールの箱を一生懸命ラッピングした、ところから火がついてしまい、身の回りのものを手当たりしだい、折り紙でラッピングしはじめた。 ミニカー、恐竜、飴、機関車、絵本。
この時はまさか、そのラッピングした物々が全部オイの前に差し出されることになるとは思いもみなかった。 「お、上手いねラッピング」とおだてていたところ、そのラッピングの数たるや、両手では数え切れないほどになっていた。
次男なりに包んだ物が、ひとつひとつ袋の中から取り出され、「開けてみて」と次々に手渡される。 これがまた、開けようにもセロハンテープでグルグル巻きにされているものだから、ちょっとやそっとでは開けない。 ハサミを使わねばちょっと無理なのだ。
ひとつ開けばまたひとつ、次々に手渡される。 ひとつにてこずっていると「開けにくかった?」と心配顔を浮かべるのでモタモタもしていられない。 正直かなりしんどかった。 全て開け終わった頃にはずっとうつむいていたせいか変に酒が回っていて、折り紙のカケラで目がチカテカした。