新じゃがとハッタイコ

「新ジャガのできたよ。 取りにおいで。」
と、うれしい連絡をばあちゃんよりもらったので、向かう。 ぶっちゃげ品種がなんだとかどうだとかはヨクワカランが、うまいのこのジャガイモ。 包丁で切るときの「スコッ。 スコッ。」という感触からして市販のジャガイモとは違う。
せっかく来たんだから、晩飯もごちそうになっていこうということになる。 ばあちゃんの手料理が並ぶ食卓に、なにやら一皿正体不明の物体がある。
「ばあちゃん、コレ何ね?」と聞くと、「はったいこ」だという。
はったいこ? 初めて聞く言葉であり、見た目はちょど「アンコ」のようである。 なんでもオイが小さい頃よく作ってくれていたそうで、オイはそれをよく食ったそうな。 作り方としては、麦の粉に水と砂糖を混ぜて練っただけだという。
「ふーん。 こんなの食ってたっけな。」と、一口食べてみると、ちょうど麦チョコのような香りがして、甘い。 子供は好きかもしれん。 しかしこのはったいこ、まったく覚えがない。
バアちゃんにそう伝えると、一瞬寂しそうな顔をした。