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2011/03/17

五島本陣

焼鳥

10年ぶりぐらいになるだろうか、長崎市浜口町にある焼き鳥屋「五島本陣」に行ってきた。 今は無き名店「まるや」の店主と一緒によく通った店だ。

のれんをくぐると、昔とすこしも変わらぬ大将と女将さんがいた。

「10年ぐらい前にですね、よくこちらに来させていただいていたんですよ。 店の前を通っていてなつかしくなりましてね」 大将は覚えていないようだ。

串を一通り注文したら、大将は特注の巨大な角型七輪で串を焼きはじめた。

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2011/01/13

ピュロロロロ~

とある料理屋さんの主人は、利き酒師だ。

「かっこいいですよね、オイもいつかはなりたいです」といえば、「利き酒師には誰でもなれるよ、ただ、本当に酒の味がわかる人間にならないとね。 私は今でも修行の最中」という返事だった。 どんな業界にでも当てはまる話だと思った。

ひと段落した主人は、この度はじめて入手した銘柄の一升瓶を取り出して封を開け、味見をはじめた。 オイは飲みながら、その様子をじっと眺めていた。

よくある利き酒用の2重丸が入った猪口を使うのではなく、薄く透明なショットグラスを用いている。

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2010/11/13 雑記

元々は酒屋で、居酒屋になって数十年。 各地の日本酒をズラリ取り揃え、毎日常連客で賑わっている。

こんな情報を仕入れ、その日の夕方店探しに出かけた。 そしたらなんと、たまに行くホルモン屋の並びにある店だった。 飾り気のない看板に小さな店構え、外から店内がよく見えないこともあり、これまで見過ごしていたのだ。

戸を少し開けるとガヤガヤと客の声がする。 ちょうど大将と目が合ったので「ひとりですけど入れますか?ていうか満員ですね」と伝えると「あちらがひとつ空いていますよ」と、L字型のカウンターの端を指して言う。 ツイてる。

少し狭いがこれも味のうち、いやあ、それにしても年季の入った店だなあ。 木製の角が丸まったカウンター、やけに低い天井、昭和の匂いがプンプン漂う和風木造建築で、照明ひとつとっても、いまどきこんな型をしたものは売られていない。

壁面はびっしりと小さな酒樽、一升瓶で埋め尽くされており、店の奥には某銘柄の名が刻まれた、とても古そうで重厚な看板が掲げられている。

客の7割は50代以上のおじさんである。 日本酒飲む雰囲気としては申し分ない。

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2010/11/09

うすはり

日本酒に強い居酒屋だという。

このあたりの酒飲みならば知らぬ人はいない店なのだとか。

入口にはエビスのたて看板があり、そこには今日のオススメが記されているのではなく、入店に際し、いくつかの諸注意がある。「1、全席禁煙。 2、大声で騒がない。 3、ベロンベロンに酔わないこと」 かなり低い位置に丸い酒林が吊るしてあり、それを避けるようにして店の中へ入る。

日本酒の一升瓶がずらりびっちり詰められた大型冷蔵庫が、3台並んでいる。 その様はまさに圧巻。 全国の蔵元の前掛けが壁面を埋め尽くしている。

とりあえずエビスを一杯注文し、メニューを眺める。 各種珍味から焼き魚まで、日本酒に合うサカナが集結している。 全部メモりたかったぐらいだが、早く飲みたいのでそのヒマがない。 おっとここでまた嬉しい情報が。 「当店は牡蠣にも自信あり」と書いてある。 生牡蠣は各産地のものを取り寄せていて、カキフライは人気のメニューなのだとか。 嬉しすぎる。

気がついたら目の前に突き出しがあった。 それを見て思わずニンマリしてしまった。 突き出しは、しじみの味噌汁だったのだ。 飲んだ後のシメとして味噌汁をススルことはあるが、飲む前にススッテしまうとは・・・しかも酒飲みには嬉しいシジミときた。 この店、イイ。

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2010/05/20

和民礼讃

居酒屋で黒ホッピーを十何杯呑んだところで目の前の野菜炒めに顔から突っ伏したのだという。

本人はそれを覚えていないが、数人の同行者が目撃し、後始末をした事実だそうだ。

今日の飲み会は、そこでやるらしい。 その店はいくつか支店のある大衆酒場で、安い旨いそして情緒があるという話。 なかなか面白そうだ。

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2009/09/29

ここどこなんだよ!

とあるご夫婦と一杯飲みに行くことになった。

顔をあわせることはたまに会っても、飲みに誘われたのは今回が初めてだ。 待ち合わせの場所へ急ぐ。

すでにご夫婦は到着しており、こちらへ手を振っている。

「まずはこの前話した立ち飲み屋に!」とご主人。 いいですねー行きましょう。

5分ほど歩くと道路沿いに人だかりがあり、たぶんそこが立ち飲み屋なんだろうな、と考えていたらやっぱりそうだった。 満席ていうか、とにかく満員。 店の外まで客があふれている状態。 客なのか、通行人なのかも判断しにくい状態。 2、3杯飲んで、2、3品つまんで通行人のフリして帰ってもわからんのではないかという状態。 はやっている店だ。

キンキンのビールで乾杯!レバテキと串何本かを注文し、つまみながら立ち飲む。 たまにはこんな雰囲気もよいものだ。 軽く一杯飲んでから、すぐにお勧めの店へと移動するということなので、ややペースは抑え目にしているつもりだったのに、気がついたらガバガバ飲んでしまっている。 もう最後までこの店でいいのではないかという気に3人はなりかけている。 串も美味しいし。

しかしご主人、やはりどうしても連れて行きたい店があるとかで、移動することにした。

タクシーに乗り込み1000円分ぐらい走った。 着いたところは趣のある飲み屋街だった。 期待が高まる。

ご主人を先頭に店を目指して歩く。 奥さんは高ペースでビールを飲みすぎてしまったのか、少し足元がおぼつかない。 というか、ご主人は歩くのが早い。 ついていくのがやっとだ。 よほど早くその店に入りたいらしい。 こりゃ、多分酒がまわるな・・・。

歩き始めて10分ぐらい経過したのではなかろうか。 次の店に移動するのに10分歩くというのは結構ツライ。 あまり経験したことのない状況である。 なぜタクシーでもっと近くまで行かなかったのか?とか思い浮かんでしまう。 でもまあ、またビールが美味しく飲めるというものでしょう。

さらに5分ほど経過した。 これまで歩いてきた道のりには、美味しそうな鮨屋や割烹、ホルモン屋などがあった。 額に汗するこの状況では、もう何屋でも美味しく見えてしまうのかもしれない。 喉が渇いた。 あれ、奥さんは・・・ゲッ、ヨロヨロだ。 奥さんを連れに10メートルほど戻る。

ご主人は鉄人のごとく、ペースを崩さず歩き進む。 酒飲んでいるのに競歩か!というぐらい早く歩けるのはどうしてだろう。 もはや酒を飲むとかそういう雰囲気ではなく、ご主人の人間的考察をはじめてしまう。 酒はすっかり抜けてしまった。

「だからどうして店の前までタクシーで行かないんですか?」という言葉が喉元まで来ている。 奥さんの体力はもはや限界だ。 ここらで一休みせねば、もうついてこれないだろう。 いやしっかし歩くなあ。

あれ?この店なんか見覚えあるな。 あ、そういえばさっき似たような店を通り過ぎたような気が・・・もしかしてチェーン店?でもその雰囲気ではないし・・・さては・・・さっきこの道通った?

すぐに奥さんにそう尋ねてみるが、奥さんはもうそんなことはどうでもいい様子。 とにかく限界が近いのだ。 とりあえず休ませておいて、ダッシュでご主人に向かう。

「ご主人、この道ってさっき通りませんでしたか?」と聞いてしまった。

「うん」とそっけない返事が返ってきた。 あれ?今「なじみのいい店」に向かっているのではなかったのでしょうか。 場所を忘れたとかいう話はありえないし、もしかして今目指しているのははじめてのお店なのでしょうか?

そうだった。

ポケットからタウン紙の切れ端を取り出して見せてくれた。 なるほど、この店かーといってもこの辺に土地勘はない。 早速電話をかけてみる。

オイ:「あのー今そちらに向かっておりまして、ちょっと場所がわからなくて。 近くにいるのは間違いないと思うのですが、ちょっと案内していただけませんか?」

店員:「はい、ありがとうございます。 そこからでしたらもうすぐです。 でもお客様、実は当店はあと20分で食べ物のラストオーダーをむかえてしまうのですがいかがなさいましょうか・・・」

オイ:「・・・・・・わかりました。 ではまた次の機会に」

さんざん歩いたあげく店をみつけられず、いざ見つかったと思えばラストオーダー寸前。 なんじゃこら。 とにかく、適当にその辺の店に入って飲みなおしましょう。 また今度その店には行きましょう、とご主人に言うと、なんだか納得できない様子。 どうしても、目指していた店に行きたいのだとか言う。 もはや何を食いたいとか飲みたいではなく、その店にたどり着くことが目的となってしまっているのだ。

はっきり言って、そんなことは一人でいるときにやってもらいたいものだが、とにかく気が治まらないならば行ってみましょう行きましょうではありませんか。 いーですよこうなったらもう。

再び店に電話して案内してもらい、ようやくたどり着いた。 奥さんは・・・気分が悪いそうだ。 当然。 ビール2杯とウーロン茶一杯を注文し、乾杯。 キンキンに冷えたビールの美味しいこと。 まるで真夏の一杯のようだ。 さあ、ご主人、この店はじき閉店です。 出ましょう。

行ってみたかった店にたどり着いて満足したご主人は、適当に入った次の店では大はしゃぎ。 焼酎を片っ端からロックで飲み進んだ。

こちらも負けてはいられない。 カラスミを注文し、日本酒を片っ端から呑みはじめる。

奥さんは・・・・・・復活した。 ワインを注文し、ヤギのチーズでガブ飲みしはじめた。

ご主人:「オイくん、今度さ、早朝から市場に行かない? 市場内に美味しい店があるんだよ。 火曜日の朝4時なんてどう?」

面白そうな話だったが、いやな予感がするので丁重にお断りした。

2009/03/16 酒肴

松尾精肉店:チキンカツ

トリカツ

夕月のカレーと共に載っていたチキンカツが気になったので買いにいってきた。 その店は松尾精肉店という。

この店のチキンカツは手羽先、手羽元、要は鶏の腕一本を切り開いて骨を取り除いているもので、手羽先の先っちょがチョロっと出ているところが特徴的である。 持ち帰って揚げるだけになっているものを購入した。 一枚150円。

早速揚げてみる。 やけに大きいチキンカツだ。 揚げたてに塩を振り、かぶりつく。 大きいが薄いチキンカツだということがわかった。 それもそのはず、これは鳥のムネや足ではなく「手」なのだから。

ご飯のおかずというよりも、ビールのつまみにしたいチキンカツだった。 冷凍して常備しておくと便利だと思う。

松尾精肉店

  • 長崎市西海町1728-10
  • TEL 095-884-2053
  • 第一日曜日が休み

2009/03/15 飯物

夕月のカレー

夕月のカレー

カミさんが長崎プレスを読んでいて「アッ」と声をあげた。

のぞいてみると、夕月のカレーのページだった。

夕月は長崎市にある老舗のカレー屋で、長崎人ならばおそらく大抵の人が知る店だと思われる。

オイも当然よく知っていて「おっ夕月、なつかしかねー」と言いながらカレーをしげしげと見つめる。 そこである一つの疑問が。

夕月のカレーってこんなんだっけ?

写真のカレールーはちょっと他にはないほど明るいオレンジ色をしている。 記憶と違う。

「夕月のカレーってオレンジ色だった?」とカミさんに聞くと、昔からそうだったという。 オイの記憶では、ごく一般的なカレーの色をしていたような気がしてならない。 もう一度カミさんに尋ねると、間違いなく、夕月のカレーはオレンジ色だったと断言する。

うーん、オイの記憶違いなのか。 いやでも幼い頃夕月で食べたカレーは普通の色だったような気がしてならない・・・・・・。 夕月ファンだった親父に電話してみた。

間違いない。 夕月はオレンジ色」とのこと。 やっぱりオイの勘違いだったのか。

いやでも実際この目で実物を確かめないと納得いかん。 今すぐにでも夕月に行って食べてみらんといかん。 しかしなかなか時間がとれない。 それではお取り寄せをしようではないか。

夕月カレーを10パック取り寄せた。 さっそく袋を湯せんし、白いご飯とあわせる。 キッパリと、ハッキリと、オレンジ色をしていた。

色はさておき、ひとさじ食べてみると、まさしく記憶の中の夕月カレーだった。 色だけがどこかとゴッチャになっていたのだろう。

味も他のカレー屋にはないような素朴な味がする。 この味、夕月カレー以外にも似たようなのがあったような気がする。 さてそのカレーは一体。

せわしくオレンジ色のカレーを口に運びながら、この味と似たカレーは何なのか考えてみた。 どうしても思い出せない。 しかし、似たカレーがあったはずだ・・・・・・あ、婆ちゃんのカレー。

夕月のカレーによく似たカレーの正体は、田舎の婆ちゃんカレーだった。 子供の頃、夏休みにもなると泊り込みで田舎で遊んだ。 腹が減ると婆ちゃんがよくカレーを作ってくれた。 市販のカレールーで作るカレーだったが、時にはルーをきらしていることもあった。

その際、婆ちゃんは小麦粉を使って一からカレーを作ってくれた。 たぶんカレー粉なんかは使っていないカレーだったと思うが、そのカレーがやけに好きだった。 そのカレーの味に、夕月カレーの味はよく似ていると思う。

夕月のカレーはオイにとっても、とても懐かしい味だった。

カレーの店 夕月

通販可。 夕月カレーは1パック250円で180g。 グラム数だけ聞いてもピンとこないが、皿にあけてみると結構な分量だとわかる。 メール会員になるとなんと、200円になるそうだ。

2009/02/27 マズい

穴場らしい居酒屋

激安で質の高いキャバクラがあるので是非行こう!!!と誘われたので行ってみたらそうでもなくて、なおかつ高かった・・・という事がNくんに関しては多々ある、が憎めない人柄なのでつい信用してしまう。

「激安で穴場的存在の知る人ぞ知る居酒屋があるので是非行こう!!!!」と言われたのでついていった。

繁華街の路地裏にその店はひっそりとたたずんでいた。

ガラリ。 引き戸を開けると店内は想像以上に広く、奥に長かった。 数名のサラリーマンが座敷に固まっている。 他に客はいない。

「ああNくん。 さ、入ってよ」 とオカミさん。 Nくんとオイはカウンターに座る。

「まずはビールよね」 はいその通りです。 運ばれてきた大ジョッキをつかみ、軽く乾杯してからいつものようにゴクリとやる。 んん?

気を取り直してもう一度ゴクリとやる。 ビール自体は冷たい。 んー・・・・・・・・。

なんだか生臭いんだよな。

生ビールを生臭いと思ったことはこれまでに一度もない。 舌のせいだと思いもう一度口をつけてみても、やはり生臭いのだ。

急遽となりのNくんのジョッキと交換し、飲んでみた。 同じように生臭い。 間違いない、このビールは生臭い!

ビール自体が生臭いのか、それともこの大ジョッキが生臭いのか? それはちょっとわからないが、とにかくNくんはこの生臭いビールをやや美味しそうに飲んでいる。

「ねえ、このビール生臭くない?」とNくんに聞いてみようかとも思ったが、Nくんはここの常連だし悪いし、オカミさんは目の前にいるのでささやきが筒抜けだろうしで、腹の中におさめた。

うーんしかし何度口にしても生臭い。 こんなことなら中ジョッキにしておけばよかった。 果たしてこのビール、飲み干せるのだろうか? この日、寒いのに喉が渇いていたのでとりあえずビールを二杯飲みたい気分だったのに。

思い切って腹据えて、別の意味で一気飲みしてやった。 気合だ気合、生臭いビールの一杯や二杯、飲み干せないでどうする。

ビールを飲み干したところで考えが。 「もしかすると今回のジョッキに限って、何らかの理由で生臭かったのかも知れない。 もう一杯中ジョッキを頼んでみようかな」

思い切ってもう一杯中ジョッキをたのんでみた。 これでいつものビールだったらモウケもんだ。

中ジョッキに口をつけてみると・・・・・・やっぱり生臭かった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 一体何なんだ??

ビールのことはもう忘れよう。 鼻からの呼吸を止めて一気に飲み干し、焼酎をたのむ。

「オイくん、焼酎ボトル入れてるからまずそれ飲もうよ」とNくん。 じゃあ、そうしましょう。

Nくんの焼酎は、ほとんど入っていなかった。

「あれぇ?いつの間に飲んだんだろう?」とかNくんは言う。 どうせおまえが酔っ払って飲んだんだろうが。 気を取り直して一升瓶をたのむ。

銘柄を吟味していたところ(吟味するほどない)Nくん(以下N)が「ここのオリジナル焼酎があるんでそれにしない?」という。 経験上オリジナル焼酎が当りだった試しはない。 だがまーしゃーない、それでいい。

マズからず旨からずの焼酎だった。 生臭いビールに比べればこんなの天国だ。 2、3杯開けると調子が出てきた。 んで、つまみは何があると?

メニューだけはやけに多い店だった。 枝豆からカラスミまである。 ちょっと面白そう。 「とりあえずじゃあ牛タタキを・・」と言いかけたらNが「オカミさん、いつものようにやっちゃってください」という。 常連だけに「いつもの」があるのだ。 だまってグラスを傾ける。

まず最初に出てきたのが、焼鳥盛り合わせだった。 あれおかしいな、だってオカミさんずっとここに立ってんじゃん。 一人でお店切り盛りしてるんだよね、だったらいつ焼鳥焼いたの?

という話は置いといて、レバーをつまむ。 うーん中身は半生でジューシー・・・でいいんだよね。 単なる生焼けってことはないよね? という話は置いといて、とりあえず焼酎で流し込む。

まあ、焼鳥にそこまでのハズレはない。 しばらくN、オカミさんと歓談する。

「じゃあ次は例の玉子焼きで」とN。

今度はオカミサンが動いた。 使い込んだ玉子焼き器を取り出したところからすると、もしかして玉子焼きはこの店の看板メニューなのではなかろうか、と憶測。

グニャリとした塩味の鳥皮をつまみながらNと会話する。 奥のサラリーマン席から「オカミサン、氷ちょうだい!」と注文がはいる。 オカミサンは今玉子焼きに忙しいところだが、お客さんを待たせるわけにはいかない。 頃合をみて、オカミサンは座敷へ氷を運んでいった。

玉子焼きの前に帰ってきたオカミサンは開口一番「あら焦げちゃった」とオイ、Nを照れくさそうに見上げる。

覗いてみると玉子焼きというか、海苔の塊のように真っ黒けっけな物体がそこにあった。 もしやこれを食べろと言われまいか、と心配したが、さすがにそれはなかった。 焼き直しとなる。

酒も入り、オカミサンの人柄もよく、楽しく酒を飲む。 オカミサンがどうしてこの店を始めることになったのかという話から生い立ちに至るまで事細やかに教えてもらった。 その話は十分酒の肴になった。

オカミサン、つい話し込んでしまった。 また玉子焼きを焦がしてしまった。 でも食べれないほどの焦げではない。 また焼きなおそうとするオカミサンにそのままちょうだいと伝える。

Nはうれしそうに玉子焼きを食べてみろ、とすすめる。 一口つまむ。 中身に納豆が入っていた。 そうかこれは納豆入り玉子焼きだったんだ。 というのはわかったが、なんちゅうか・・・もしもちょっぴり焦げてなかったとしてもこの玉子焼きは・・・・・・まあいいじゃないか。

かなり気分がよくなったNは、ここで歌おう!と提案をする。 いや歌おうっていわれてもカラオケもないし、あったとしてもここではちょっとなあ、と言うと「流しを呼ぶから」という話になった。

流し!? へぇ、そりゃ面白そうだ是非来てもらおう、早速オカミサンは流しに連絡をする。 5分もたたないうちに、まるで今回のプランに組み込まれていたかのように流しはギターを肩からかけ、分厚く使い古された歌詞本を持って現れた。 着物を着てハンチングをかぶっている。

流しの出現により場の空気が一瞬で変わってしまった中「じゃあどれからウタウ」と流し氏。

Nは北酒場をリクエストし、ギターのメロディにややあわせながら大声どなりあげて気持ちよさそうに歌い上げた。 「ほーいつもながら巧いもんだね」と流し。 次はオイの番だ。

使い古されたというか半ばボロボロのページをめくり、歌えそうな歌を探す。 やはり懐かしの歌しかそこにはない。 うーん・・・。 じゃあ思い切って兄弟舟でお願いします。 と伝えると「そんな歌は弾けない、キライ」と流しは言う。 え、何でも弾くんじゃないんですか。

松山千春もダメ、尾崎豊もダメだった。 氷雨でやっとオッケーがでた。 氷雨なんて歌ったこともないがもう何だっていい、とりあえず歌う。

「ほー巧いもんだね」と流し。 どうやら決まり文句らしい。 「じゃ、次は流しさんが歌ってくださいよいつものを」とN。 流しオリジナルの歌があるらしい。 ビールを2、3杯飲んでいただいてからオリジナル曲の演奏が始まった。 ちょうど黒澤明のまあだだよで先生が歌っていたのに似ていた。

流しは最後の一杯を勢いよく流しこみ、ひっそり去っていった。

「オカミサン、洋風ソーセージ!」と相当できあがっているNは注文した。

ちょうどウチの子が好きなベビーハム?というか想像していた洋風ソーセージとはかけ離れたものがケチャップをそえて出てきた。「はい今日はこれで料理はおしまい」とオカミサンは声高々に宣言した。 もうどうにでもなれ。

穴場といえば穴場と呼べる居酒屋だと思う。 たぶん料金は相当安いハズだ。 Nはまあ、ウソは言っていないことになるかな。 と考えていたところ結構な金をとられた。 一体どの料理を、どの酒を飲めばそんな値段になるのだろうかという金額だった。 流しのお金は本人に直接払ったし、考えられる事としてはオリジナル焼酎なるものが相当な値段だったことになる。

Nの言うことは信用できない。

もう一軒穴場のキャバクラ行こうというNを制し、ラーメンでも食って帰ろうと説得する。 すると今度は近くに旨い中華料理屋があるとか言う。 とことんまで付き合ってやろうではないか。

ごく普通の中華料理屋だった。 すかさず生ビールを注文し、ギョーザで飲む。 そう、これがビールの味! もう一杯。

Nはグデングデンになりながら、何を思ったのかこの店の名物と言い張るレバー定食大盛を注文し、半分寝ながら食べていた。 しまいには口にレバーとご飯をつめこんだまま、寝た。 まるで幼児だ。

やっぱりこいつはおかしい。 しかしどうしてビールが生臭いんだろう。

2009/02/03

Woody Life (ウッディライフ)のカレー

ウッディライフのカレー

河童のミイラの帰りに寄ったのはWoody Life (ウッディライフ)。  長崎県西海市のカレー屋さんである。

この店は子供たちお気に入りの店で、いつも混んでいる。 空席待ちをしている間、絵本や積み木で遊ぶのが好きなようだ。

写真はチキンカレーの大盛。 辛口にすると相当辛いので、他店の辛口カレーがまったく辛くなくて憤慨している方にはオススメ。

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