森からし蓮根
ヨメはオイの嫁である。 さらに子供らにとってはママだ。
そんなヨメは、ママさんバレーチームで活動中であるのだが、チームメイトに、「どのような団体に所属しても必ずひとりはいるイヤなヤツ」というのが やはり存在するらしい。
そのイヤミなおばちゃんは、試合の際などには自作弁当を持参し、 中にはかならずカラシレンコンが入れられてあるという大のからし蓮根好き。 ヨメからこの話を聞かされていて、ようやくそのイヤミのお弁当を見ることができた。 からし蓮根が4枚は入れられていた。
からし蓮根はたまに酒の肴としてつまむけど、ご飯にも合うんだね。 へぇー。
そのイヤミおばちゃん、リーダーでもないのにリーダーのように振る舞い 、いちいち何にでも首をつっこんでくるのだそうな。 バレーのことだけではなく、駐車場に車をとめる順番まで指定してくるという仕切りぶり。 監督よりも監督然とした振る舞いに当の監督さんはマイッテいるのだとか。
そんなイヤミおばちゃんは昨日、チラリチラリと、練習中に、どこかで見たことのある「青いハンカチ」を使い、汗を拭っていたのだそうな。 半分ムカツキ半分カワイイおばちゃんだな、とオイは思ったがヨメは超ムカツクと言ってた。
いやいやそうそう、からし蓮根の話。 このからし蓮根は、イヤミおばちゃんとはなんの関係もないもの。 そう、熊本の名店、森からし蓮根のものである。 衣がはずれるのを注意しつつ、薄めに切って、ちょっぴりかじりながら、飲む。 もしも辛いものがニガテな方は、マヨネーズをつけながら食べるとよろし。
ウナギの白焼き | 土用の丑の日を前に
明日は土用の丑の日だという。 経験的に明日は若干値段が上がるように思われる。 なので前もってウナギを食っておくとしようか。
かば焼きもイイけど今日は白焼きを買ってきた。 肉がフンワリとしていて、皮に厚みがありすこしトロリとしていて、ウマイ。 ウナギ屋さんによると、今年はなんだかウナギの相場が高いのだとか。 「でもうちはお値段据え置きやっけんね。」なんていう口車に乗せられて、2本買ってしまったというわけだ。
男前豆腐ならぬ美人どうふ:ざる豆腐である
豆腐のうまい季節がくるわけ。 夏の蒸し暑い日、セミがけたたましく鳴きまくる中、ギンギンというかキンキンに冷えたビールに、さっき買ってきた真っ白い豆腐一丁。 そのまま皿に移して、ドバッと醤油をかけて、かぶりつくわけ。 雰囲気だすならば、扇風機とさらにうちわ、豚の蚊取り線香入れに、縁側、打ち水なんかして、目の前の木にセミは止まってもらい、たまにカナブンなんか飛んでくるとなお良いわけ。
でも寒い日も豆腐はウマイ。 鍋には絶対欲しいというか必須。 ハフハフやるわけです。 ということで季節に関わらず年中豆腐にはお世話になるのですが、たまにムカツクときがあるのです。
「木綿豆腐2丁98円」なんていう豆腐が近所のスーパーによく売っているわけですが、安いので買うわけです。 そしてそれなりに美味しいわけです。 時には冷奴で、時には湯豆腐で食うわけであります。
田舎に行くほど、豆腐は固いモノが好まれるそうでありますが、オイもやっぱり固い豆腐が好きなわけです。 なので「絹ごし」ではなく、「木綿」を買うのです。 そして冷やっこでさあ食べようと、封を開ける。 とりあえず豆腐を手で受ける。 水が流れる。 何故かその木綿豆腐が今日に限ってやけにやわらかい。 いつものメーカのものなのに、そのメーカーの絹ごし豆腐よりも軟らかい。 ショック。 マジショック。 ということがよくあるのです。
豆腐業界ことは詳しくわからんが、これは一体どういうことなのか。 木綿を買ったのに絹よりも軟らかいとはどういうことなのか。 責任者出て来い。 とひとり腹立てるわけだが家族の同意は得られず、ヨメに「同じ豆腐です。 食え。」とあしらわれるのでした。
「今度から違うメーカーの豆腐を買うようにすればイイじゃん。」 なんて意見もあるにはあるのですが、長崎では、そのメーカーの豆腐が一番お気に入りなのでした。 味が。 オイの頭の中では、この豆腐メーカーは「ライバルがいない → 少々適当に作っても売れる → それに2個で98円だしムハハ。」という直線的な横柄な態度にムカツキつつ、でもそれを買わないとしょうがないという葛藤が豆腐を手に取るときに巡り巡るのでした。 チッ。
昨日は台風もそれたし、晴れてるしで息子と少し早いがクワガタ取りに出かけました。 何匹か採集できて、家にお土産を持って帰ろうと、道路沿いの直売所風の建物に入ったのでした。
狭めの店内には、なんだか面白そうな品々が並べられておりテンションが上がります。 そこで、目にとまったのが、このざる豆腐。 スーパーにも置いてありますよ。 ざる豆腐は。 一丁(一丁でイイのか)150円ぐらいで、丸いザルに入った丸い豆腐。 150円といえば、いつも買っている豆腐から比べると随分高価なわけだが、そのプライスにだまされてはいけません。 まず美味しくないわけです。 その「ザル入り」という演出により、なんだか美味しそう感と、若干の高級感を演出しているに過ぎないわけです。
「ふーん、ざる豆腐ね。 お、350円か。 イイ値段ね。 なに! 原材料は、大豆と天然ニガリだけですか。 おー買います。」と、その直売所の豆腐を3丁買ってみたわけです。 作り立てでまだ温かいのを。
うまい。うまい。 大豆の香りが若干熱を持った表面から食べてもいないのに香ってくる。 食べる。 柔らかい。 柔らかい豆腐はキライだけど、うまいよこれは。 とにかく豆腐は大豆で作られているということを、始めて実感できた豆腐なのです。 前に、京都で、すごい小さい豆腐一丁500円という高級豆腐を買って食べたことがありましたが、こんなに美味くなかった。 さらに実は、オイがかったこの男前豆腐ならぬ「美人豆腐」よりももっと美味しいという「青大豆」を使った豆腐というものもここでは販売しているそうなのだが、それはすぐに完売するそうな。
この直売所はナカナカ行きにくいわかりにくい場所ではありますが、豆腐好きの方ならば是非一度お試し頂きたい豆腐でありました。 残る一丁は明日の朝食います。
ヒラスの真空パック | 保存食
長崎は、台風上陸の恐れがあった。 しかしその恐れはなくなった。 が、ここのところ雨がよく振り、海も荒れていたそうな。
だから居酒屋さんに行ってもイキのイイネタなんて入荷しているわけはなく、お刺身がなーんもない。 「ふんとにもう、大将、おたくプロでしょ。 理由はどうあれ、なにか刺身を用意してください。 自然の悪条件を、あなたの職人魂にてどうにか克服するのですよ!」と、無理な注文をしてみたところ、ありました。
大将が冷蔵庫からおもむろに取り出してきたひとつの真空パックの袋。 中には魚の切り身が入れられてある。 実はこれ、ヒラスの刺身を真空パックにて保存してあるものなのです。
今回のような「悪天候にて魚の入荷なし」まさにいざというときにそなえて大将が隠し持っておいたブツなのであります。 「うーん、それ、ホントに食えるの? いつ真空パックにしたの?」と聞いてみると、去年の冬に、真空パックしたのだそうな。 テレビショッピングで深夜にやってた真空パックの機械が欲しくて購入し、どうしても使ってみたかったから、目の前にあったヒラスのブロックを真空にてパック詰めして、保存してみたのだそうな。
微妙な素性はよくわかったが、あんまり食いたくないなと思いつつ、すこし切ってもらうと、ウマイの。 ウマイんでやんの。 真空パックってすごい。 うれしくなり、とりあえずまだ封を開けていないヒラスの真空パックを大将が隠し持っていることが判明したので、買い取ってきたのであります。 とりあえず今日の晩酌の友は確保したわけであります。
芝エビの煮付け | 居酒屋みやげである
居酒屋へ行くと、カウンターに並ぶ大皿料理の面々をチェックするわけです。 飲む前から忙しいわけです。 いつも行く店は、大体いつも同じようなお惣菜を取り揃えてあるからチョイスするものも大体決まっているのですが、初めてのお店の場合、ちょっとしたドキドキ感が嬉しいわけです。 といっても、近頃はそもそもそんな大皿なんか置いていないというお店も沢山あるわけですが。
そして昨日行ったお店で、あまりにもこの芝エビの煮付け具合が絶妙だったので、いっぱいつまんだわけです。 そして飲みながら、店主相手に絶賛していたら、おみやげとしてビニール袋に入れて持たせてくれていたのです。
もっとも、今日の朝起きて、何で自分の右手にビニール袋を持ち、中に小海老の煮付けがたんまり入っているのかを思い出す為には30分を要したのではありますが。
鮭の燻製
真昼間からビールをやるのもよい。
しかしつまみがなくてはどうしようもないね。 ここはよそ様のお宅なので、それではビールに合うあつまみをチャチャッと作ろう、なんてできやしないし。
スーパードライ小缶を5本ぐらい飲み干したところで、つまみ欠乏感が頂点に達し、しかも、際限なく運び込まれてくる350mlスーパードライ。 飲み始めてまだ15分程度である。 腹パンパンだしうーこまったな。 と、天井を仰ぐ。 なんとなく横の柱時計のほうへ目を移す。 柱時計の下に何か掛かっている。 お、お、燻製?
柱時計の下に掛かっていたのは、北海道旅行のお土産の鮭の燻製であるという。 この家にはそれに興味がある者はおらず、2ヶ月前からそこに吊るされているという。 賞味期限が過ぎているかどうかも不明らしい。
ビールのつまみ欠乏症のオイには、賞味期限がどうのこうのなんていう問題はもはやどうでもイイコトで、食べれるんだったら食べてもイイという許可を得たので封を開け、むしりながら口にほうり込む。 かみしめる。
燻されて乾燥しているにもかかわらず、噛んでいくうちにジュワと、鮭の脂がにじみ出てくる。 鮭の醍醐味、皮もパリパリしていてたまらん! ウマカ!
と、以外にも上質のつまみに偶然というか必然出会って調子がでてきて、昼から飲み始めていたのに、いつの間にか晩酌になっていたのである。
隅でコソコソイカを焼く
あー梅雨うっとおしい。 体がベタベタする。 湿気プラス目に見えない微量の汗が全身からにじみ出ていて、それがこのベタつきを引き起こしているのかななんて考えてると、無性に腹立つ。
ここ数日ジメ暑いので、お好み焼きを食おうよと家族がうるさい。 ゲッ。 先週も食ったばかりではないか。 でも食いたいのならば仕方がない。 作ります。
言うまでもないが、ビールはお好み焼きで山のように飲める。 制限してくれないと止まらんという勢いで飲める。 合うんだよね。 しかし、お好み焼きをつまみながら日本酒や焼酎なんかをグイッ。 とやるというのも若干キビしい。 そこでお好み焼きを焼いている横っちょでひっそりと鉄板焼きを作るわけであります。
今日はイカを丸ごとぶつ切りにして、若干塩胡椒して焼くだけというイカの鉄板焼きで飲むわけです。 おっと焼きすぎてはいけない。 煮えたか煮えないかで食うわけです。 これはこれで美味いので、子供らにたかられて結局オイの食う分無くなっちゃってしまうんだけどさ。
(薩摩)地鶏のタタキ
お母堂謹製辛ミソ
そしてキムチを作ろうと決心したのでした。
キムチを作るにしては、少し遅いのかなもう春だしなんて考えていたオイが この度キムチを作ろうと思い立ったキッカケは、韓国の、粉唐辛子を沢山 もらったからでした。
たまに飲みにいくお店があり、そのお店は料理を楽しむというか、本来お姉さま方との会話を楽しむお店であるが、つまみがウマイのであります。 なんでもお店のママのママ、すなわちお母堂さまが、料理上手なのであります。 ここのお店で出される一品は全て、そのお母堂さまが作っているのであります。 妙な乾きモノなんかでてこないということ。
先日食べたキュウリには、豆板醤みたいなのが添えられていて、それをつけて食べるのだという。 そしてこの豆板醤みたいなヤンニョムみたいなのが、美味い! 「これなんていうと? ウマカね。 何ね?」と聞くと、辛ミソだという。 これもやっぱりお母堂さまのお手製であるとのこと。 ウマさを言葉で表現するならば、なんだか唐辛子の辛さの中に、甘さがあり、少し酸味もあり、薄口醤油が入っているようでもあり、赤ミソが入っているようでもあり、コチュジャンの後味もするような気もして、辛からず甘からず、なんとも美味。
こんな場合は是非作り方を聞かなきゃならんのだけど、ママは知らんというので、「じゃ、ちょっととうだいよ。」と、言ってみると、すんなりもらうことができました。 この辛ミソ結構大量に作っているらしくて、オマケで韓国唐辛子粉も大量にもらったというわけ。 それでキムチを作ろうとなったのでした。 しかしこの辛ミソ、いつまでも日持ちがするらしく、冷蔵庫で保存、表面がカビたら、そのカビた部分だけ捨てて、残りはまた使えるという話。 まるでヌカ床みたいな辛ミソなのです。 さて今日は何に塗りたくって食おうか。
今度、お母堂さま大好物のモンブランでもお礼に差し上げようかと考えているのでありますが、しかしなんでおばあちゃんというものはモンブランが好きなんでしょうか。
ピータン:皮蛋
説明しよう。 ピータンとは、アヒルの卵を熟成させて作られる中国近辺の食材。 簡単にいうとこんなところ。
このピータンが、オイ大好きであります。 独特のアンモニア臭や、怪しく半透明にうっすら光る元白身が大好きでありますよ。
いつだったか、飲んだ後の小腹を満たす為に、台湾料理のお店につれていかれました。 その台湾料理屋さんのラーメンが、激ウマだという。 もちろんお店の大将は台湾人であるということで、並々ならぬ期待を抱きながら、フラフラとそのお店に向かったのでした。 早速、常連の相方が、「ラーメン2つ」と注文し、場つなぎとして、もう飲みたくもないビールと、なんかつまみを、と。 「お、これ牛スジですか。 スジポンですか!」と注文し、「お、これピータンですか、本場のですか、やっぱり日本に売ってる普及品とはちがうのですかー。」と注文し、この2品でビールをガブガブのんで、ラーメンの仕上がりを待つのでした。
そのピータンがウマクてウマクて、「もう一個。やれもう一個下さい。」と、4個ぐらい食いハマッているところ、到着したラーメンは、醤油らーめんでした。 めんがものすごく細くて、普段「豚骨ストレート細めん」に馴れているオイもびっくりするぐらい細くて、もう麺が細いっていうだけでなんだかうれしくて、一気にススったのでした。 「ズ、ズーッ。 あら?」
もはや、ラーメンというか、細さも食感も、そのまんまそーめんでした。 スープはあっさりというか、すごく薄くて、内心「大将。 これ作り方失敗しませんでしたか?」なんて考えもしたんだけど、とにかく全部食べてみたのでした。 酔ったオイの舌がおかしいのか、台湾のラーメンとはこういうものなのかというホントのところはハッキリとしませんが、とにかくその台湾料理店は、「ラーメンの美味しいお店」ではなく、「ピータンとスジポンの美味しいお店」として、オイの記憶に残るのでした。
しばらくして、もう一回あのラーメン食ってみよう。 ちょっと印象違うかもしれん。 ピータンも食わにゃならんし。 高麗人参の入ったナントカも飲まにゃならんし。 と思いつき、素面の状態でお店に向かうと、もう閉店されていました。 それが今でも心残りでならんのです。
とまあこんなかんじで、最近では長崎新地中華街に売ってるものをいや、ダイエーの地下食品売り場にもあるかを買って食べるのです。 ある程度酒が入ったところでそろそろピータン気分となり、冷蔵庫から取り出しさあ食べようとしているところに、息子がトコトコやってきたので、ためしにちょっと食べさせてみると、いまだかつて見たこともないような形相で、吐き出したのでした。 少しごめんねと思いながらも、若干胸をなでおろすオイでありました。 だってイクラの時みたいにすごくお気に召されて、ピータン大好き小僧となり、ガブガブ食われたりしたらまた酒の肴無くなるもんね。