コクッ、ダラーン
帰宅するやいなや長男は、宿題が山ほどあると自室に閉じこもった。 今日の夕食は、彼がリクエストした「チーズ入ハンバーグ」である。
いざ夕食の準備が出来、家族は銘々席についたが、長男が現れない。 いつもならば真っ先に陣取るであろう男が来ないのだ。 ただ事ではないと様子を見に行った。
彼はこたつの上にプリントを広げ、熱心に取り組んでいた・・・のだろうたぶん。 寝ていた。 「ホラいつまで寝てんだ、朝だ!!」と驚かそうとも思ったが、あまりにも心地良さげだったのでそのままそっとしておいて、一枚だけ撮らせてもらうことにした。
彼が寝込んだ原因は二つある。
まずこたつ。 これは誰でも経験があるだろう。 寒い日にこたつへもぐればもう、なんちゅうかこう天国。
次にBGM。 先日せがまれてiPodを与えたところ音楽に目覚めたらしく、四六時中好きな曲を聴いている。 親父のオススメとして、リラックスしたい時にでも聴いてみてねと、 Sonny Rollinsを入れといたのがいけなかった。
ポカポカしているところに突如絶妙のリズムが流れてきて、もう寝るしかなかったのだろう。
プリントの上には、ダラーンと懐かしい跡が広がっていた。