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2011/05/17 雑記

妙な話

家に遊びに来ては何冊か本を借りていき、その後返そうとしない人が家内の友人にいる。 別に悪気があってそうしているのではなく、天然な人なので、借りていることがどこかに飛んでいってしまうのだろう。

催促をすると「あっそうだった、ゴメン、今度持ってくるから」と必ず言うが、そのためしがない。 第一そこまで飛んでしまうのならば、いくら本を読んだところで同じだろうに、といつも本人に言いきかせている。

どこか憎めない人物で、かなり話が面白い。 酒が入ると輪をかけて面白くなるから、本をいくらあげたって惜しくはない。 どういう人だと説明すれば一番わかってもらえるかを考えてみたところ、親しみを込めつつ「長嶋監督と中村玉緒を足して二で割ったような人物」と表したい。

ある日、家内にその人から電話があった。 「フンフンそれで・・・エッーまぢで、いや送るっていわれても・・・とにかくそこから逃げて!」という、只事ならぬ会話のやりとりがもれてきた。

どうしたのかをたずねたら、とにかく話してみてと家内が言うものだから、しかたなくかわってみたところ、恐るべき光景を語りだした。

帰宅中、頭上の電線に何か引っかかっていたので、目を凝らしてみると、真っ黒い人だったという。 ここだけ聞くと、何らかの事故で、人が電線に引っかかってしまったのかと思うがそうではない。

引っかかっているというか、電線付近に浮かんでいるというのだ。 真っ黒い人というよりも、影のように真っ暗な人型をしたモノと表現したほうが近いようだ。

「何言ってんの、早く帰れ!」

といったら、その物体を今すぐ写メして送るというから、そうしてもらった。 届いた画像には、電線の他何も写ってはいなかった。 そう伝えても、本人は現場にいて、今目の前に浮かんでいるというものだから、これはちょっと危ないなという話になり、迎えに行くことになった。

現場に着くと、彼女はいなかった。 電話をしたら、疲れたので帰ったとかまた勝手な事をぬかした。 結局、その物体は確かにあったのだと主張して譲らない。 普段彼女はこういうオカルティックな人物ではない。 一年ほど前の話で、今でも食事をするたびにこの話を持ち出している。

個人的には怪物幽霊等そのテの話は一切信じないが、オイが幼少期に体験した妙な話を。

謎の竹事件

夏休み、田舎の婆ちゃん家に住みこんでいたときのこと。 毎日畑に精を出す婆ちゃんについて行き、朝から日暮れまで山川で遊んだ。 畑の脇にある岩には少しくぼみがあり、婆ちゃんはいつもそこに水を置いた。

理由を聞いたら、この辺にはタヌキがいるそうで、岩はタヌキのテーブルだという。 水をあげておかないと化かされて、夕暮れ道を帰れなくするというおっかない話だった。

その岩のすぐ後ろには大きなクヌギが立っていて、クワガタ採集の絶好ポイントだっただけに、コップに入れられた水が邪魔で仕方がなかったことを憶えている。

田舎の夕暮れはとても美しい。

畑から少し離れて夕焼けの中、まっすぐ一直線に走る見渡しのよい道路の真ん中に立ち、バットを振り回していたときのことだった。 田舎なので、車なんてめったに来ないのだ。 婆ちゃんの「帰るぞ~」という声がしたので、畑に戻ろうとした瞬間「ヒュン」という音がして、ハッとしたら道路の向こうから細い竹が飛んできた。 太さは割り箸ぐらいで、しなりながらオイめがけて飛んできたことをありありと憶えている。

あまりにも急な話だから避けるも何もなく、竹はオイの左足のひざ下に刺さった。 驚きが大きすぎて痛くはなかった。 すぐに引き抜いて、手に持ったまま婆ちゃんの元へ走った。

「婆ちゃん、この竹が飛んできて足に刺さったぞ」

と伝えたら「そげなこつのあるもんね(そんなこたーない)!」と怒られてしまった。

道路の両脇は林であり、民家もない。 道路の真ん中に立っていたオイは、前方、後方はるか先まで見渡せたわけで、人影はなかった。 飛んできた方向に人はいなかった。

「もしかしてタヌキの仕業じゃ・・・」とこぼしたら、そんな悪さはしないと婆ちゃん。

この話は「謎の竹事件」としてオイの中で盛り上がり、その後友達や親兄弟に散々話したが、誰も相手にしてくれなかった。 でも実際に自分が体験した紛れもない事実。

消えた落とし穴

これも婆ちゃんの田舎での話。 当時はとにかく、夏休みの間中田舎にいた。 楽しくて仕方がなかった。 この日、田んぼの手入れにでかけた。 素足で歩く田んぼの楽しさを知ったのはこの時だ。

田んぼでカエルをつかまえるのにも飽きたので、周辺を散歩することにした。 田んぼのわき道を歩いていると、ストン!と落ちた。 草が茂っていてわからなかったのだが、そこに道はなかったのだ。 とっさに草をつかんだが、あえなく落下、気がついたらみかん畑に転がっていた。 幸いケガはない。 草をつかんだ際にできた切り傷が手のひらに少しあるだけだった。

「落とし穴ってあるもなんだなあ」と起き上がったら、オイがいた田んぼははるか頭上にあった。 ちょっと大げさだったかな、たぶん5、6メートル上に田んぼはあった。 「あそこから落ちて無傷なんてオレすげえ」と、走って婆ちゃんのもとへ戻り、「落とし穴に落ちたぞ!」と伝えたら「その穴はどこだ」と聞かれたので案内するも・・・なかった。

「おかしいなあ、あそこがみかん畑だから、絶対穴はこの辺のハズなんだけど。 もしかすると、タヌキに・・・」とつぶやいたら、そんな悪さはしないと婆ちゃん。 むしろ、ここから落ちたとして、怪我なく済んだことこそ、タヌキのおかげみたいに言われてなんか腑に落ちなかった。

この話は「消えた落とし穴事件」として夏休みあけに友達や親兄弟に散々話したが、誰も相手にしてくれなかった。 でも実際に自分が体験した紛れもない事実。

書いているうちに色んなことを思い出してきた。 まだまだ腑に落ちないシーンがいくつかあるが、今後の楽しみとしてとっておくことにする。

“妙な話” への2件のフィードバック

  1. mashiro より:

    うちのお婆ちゃんは、「たぬきからは、よ~化かされよった~。昔は~。」と言います。
    その言葉を初めて聞いた夫がびっくりしていたのを思い出します。
    よって、うちの実家付近のたぬきは、悪いたぬきなのでしょう。
    そして、私が中学生のころ、父と弟・妹3人で、「きつねの嫁入り」を見たようで・・・。
    本当に説明のつかないようなことってあるんでしょうかね。
    大槻教授には怒られそうだけど・・・。

  2. オイ より:

    「きつねの嫁入り」3人で見たのならばきっとそこに不思議な現象があったのでしょうね。  怖いけど見てみたい気もします。

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