2010年11月アーカイブ
大根の醤油漬
大根をよく洗い、皮付きのまま切り分け、昆布、鷹のつめを入れた醤油に漬け込む。
半日ぐらいすればもう食べることができる。
「醤油に漬ける」という話だけ聞くと、なんだか塩辛くなりそうな気がするがそんなこたあない。 大根から水がでてくるからだ。
手袋が・・・
NIKE+にも随分慣れた。 「ああもうトータルで、フルマラソン分走ったんだ」と徐々に走行距離が伸びていくのが楽しい。
昨晩近くのグラウンドを走っていたときのこと。 照明が少しだけしかないので足元がよく見えない。 こんなことならばLEDライト持ってくるんだったなあと思っていると、目の前に手袋が二つ、落ちていた。 黒い手袋である。
「まだ手袋するほど寒くはないよな・・・」それをよけて走った。 耳にはイヤホンをつけているので、周囲の音は聞こえない。 そろそろ汗がにじみ出てくる頃だ。 少しペースを上げる。
突如背後に気配を感じた。 たまにあることだが、振り返ってみても、何かいたためしがない。 シカトするかと思いつつもつい振りかえってみると、なんと、手袋二つが、追いかけてきているではないか!
ああついに、オイも化け物を見る日が来たんだ。 こんなことならばせめて、ケータイでも持ってればよかった。 そしたら動画撮って、YOUTUBEに上げて、もうやんややんやの「世界初、追いかけてくる手袋の動画!」として絶賛を受けただろうに。
大した男
朝、登園しようと勢いよく玄関のドアを開けた子供たちが「ギャー!」と騒いでいる。
ドデカい犬でも横切ったのかと思いきや、地面を指差して大盛り上がりだ。
何かと外にでてみると・・・ここに書くのは、はばかられる物体が道路に広がっていた。 飲み屋街のすみっこにあったりするアレである。
大量の
娘のリュックがパンパンに膨れているので開けてみると、見慣れないビニール袋を発見。 中に何が?
覗いてみると、そこには大量のマツボックリ、ドングリ、イチョウの葉っぱ、よくわからん葉っぱがあった。
チキンラーメンの知られざるエピソード
チキンラーメンは日清食品創業者、安藤百福氏が発明した。 これはいままで幾度となく語られてきた真実である。
ではなぜ、安藤さんはチキンラーメンを開発しようと思い立ったのか? ここにあまり語られることのないエピソードがある。 チキンラーメンの原点は、南極観測隊だった。
南極大陸に観測隊派遣が決定したとき、簡単に高カロリー食を摂取できるように日清食品に依頼して作られたのが、チキンラーメンだったという。
この話は西村淳の『面白南極料理人 お料理なんでも相談室』にあったもの。 もうひとつ面白い話を。
三歳半検診
今日は次男の三歳半検診の日。 すくすく健康に育っているかを見てもらうのだ。
いくつかの検査項目は家庭で行い、先生に報告するようになっている。 まずは視力検査から。
視力検査に使われる切れ目の入った輪のことをランドルト環という。 大小の環が印刷された紙が用意されてあるので、2.5メートル離れたところからそれを見せ、どこに切れ目があるのかを答えてもらう。 片目ずつ行うルールになっているので、目隠しとして、スプーンを代用した。 メジャーで2.5メートル計測し、次男を立たせる。
「はい、これはどこに切れ目がありますか?」
次男はトコトコ歩いてきて、じかに環の切れ目を指差した。 「ここ!」
ちがうちがう。 「あのねえ、そこから動かずに上!とか下!とか答えてください」
もしかしてあれは・・・
今朝、あまりの寒さに目が覚めた。 「こりゃあ、ストーブ点けとかんと皆起きてこられんな」
灯油を取りに物置へ向かった。 「ふーっ寒寒」
「あれ?」
5時になったばかりなのでまだ外は真っ暗だ。 いくつか星がきらめいているが、その中のひとつがやけにデカくて、近くにある。 ちょうど山の真上に浮かんでいるように見える。 あんな場所に街灯は無いし、微動だにしないことから飛行機でもなさそうだ。
もしかして、ついにこの時が・・・未確認飛行物体なのではなかろうか!
しばらく見守るが、動く気配がまったくない。 もしかすると、こちらを監視しているのかもしれない、とか考えたりして盛り上がり、急いでビデオカメラを取りに行った。 「頼む!消えないでそのまま居ておくれ!」
UFOはそのまま浮かんでいた。 ビデオカメラを三脚にセットし、録画を開始した。 「ふはははは、UFOを見た証を残せたぞ。 これでアクロバティックな動きでもしてくれれば言うことないんだけどな」
ああそういえば、灯油を取るために外へ出たんだった。 ストーブを引っ張り出し、給油し、点火する。 この冬初ストーブの瞬間。 昨日の晩御飯「豚汁」の入った鉄鍋を上に置いて温めなおす。
樽
元々は酒屋で、居酒屋になって数十年。 各地の日本酒をズラリ取り揃え、毎日常連客で賑わっている。
こんな情報を仕入れ、その日の夕方店探しに出かけた。 そしたらなんと、たまに行くホルモン屋の並びにある店だった。 飾り気のない看板に小さな店構え、外から店内がよく見えないこともあり、これまで見過ごしていたのだ。
戸を少し開けるとガヤガヤと客の声がする。 ちょうど大将と目が合ったので「ひとりですけど入れますか?ていうか満員ですね」と伝えると「あちらがひとつ空いていますよ」と、L字型のカウンターの端を指して言う。 ツイてる。
少し狭いがこれも味のうち、いやあ、それにしても年季の入った店だなあ。 木製の角が丸まったカウンター、やけに低い天井、昭和の匂いがプンプン漂う和風木造建築で、照明ひとつとっても、いまどきこんな型をしたものは売られていない。
壁面はびっしりと小さな酒樽、一升瓶で埋め尽くされており、店の奥には某銘柄の名が刻まれた、とても古そうで重厚な看板が掲げられている。
客の7割は50代以上のおじさんである。 日本酒飲む雰囲気としては申し分ない。
鱲
ついに長崎産のボラの卵巣を入手した。
いつものように、からすみ作りをはじめた→からすみ:唐墨、カラスミ。
あと3日も干せば、ベストな頃合だと思う。 でも生干し状態の生カラスミもなかなかイケるんだよなあ。 きれいな姿をしているカラスミだから、正月まで大事に保存しておいて、皆に自慢したい気持ちもあるがきっと、誘惑に負けてつまんじゃうんだろうなあ。
だから正月には残ってもヒトカケラだと思われる。 毎年失敗している作戦だから、いい加減もうわかる。
キビナゴ丼
1パック126円で約20匹入。
こんなに安い魚ってあまりないぞ。 その魚とは・・・キビナゴである。
小麦粉をはたいて丸揚げにし、塩をパラリ、レモンを絞りこんでつまめば飲める。 「関東以南に生息する」と辞典にあるから西日本でしかなじみのない魚だと思うが、目にした際は是非どうぞ。 揚げても、煮ても、干しても、刺身でも旨い。
丸揚げが残ってしまったので、親子丼風にどんぶりを作ってみた。 多少ゴワゴワするものの、一息でかっ込んでしまう美味しさだった。
ノリノリな鯖
脂が乗っているというかもはや、肥満体型だと表現したほうがしっくりとくるパンパンの鯖が氷の上にズラリ並んでいた。
シメサバにして冷凍しておけば、食感は悪くなるにしろ風味はナカナカのものだという経験があるので、年末用にたんまりと買いこんだ。
三枚におろすと身が脂で真っ白だ。 ここまで新鮮ならば、そのまま刺身で喰ったって旨いだろう。 がしかし、カミさんから炙り〆鯖が食べたいというリクエストをうけているのでシメないわけにはいかない。
うすはり
日本酒に強い居酒屋だという。
このあたりの酒飲みならば知らぬ人はいない店なのだとか。
入口にはエビスのたて看板があり、そこには今日のオススメが記されているのではなく、入店に際し、いくつかの諸注意がある。「1、全席禁煙。 2、大声で騒がない。 3、ベロンベロンに酔わないこと」 かなり低い位置に丸い酒林が吊るしてあり、それを避けるようにして店の中へ入る。
日本酒の一升瓶がずらりびっちり詰められた大型冷蔵庫が、3台並んでいる。 その様はまさに圧巻。 全国の蔵元の前掛けが壁面を埋め尽くしている。
とりあえずエビスを一杯注文し、メニューを眺める。 各種珍味から焼き魚まで、日本酒に合うサカナが集結している。 全部メモりたかったぐらいだが、早く飲みたいのでそのヒマがない。 おっとここでまた嬉しい情報が。 「当店は牡蠣にも自信あり」と書いてある。 生牡蠣は各産地のものを取り寄せていて、カキフライは人気のメニューなのだとか。 嬉しすぎる。
気がついたら目の前に突き出しがあった。 それを見て思わずニンマリしてしまった。 突き出しは、しじみの味噌汁だったのだ。 飲んだ後のシメとして味噌汁をススルことはあるが、飲む前にススッテしまうとは・・・しかも酒飲みには嬉しいシジミときた。 この店、イイ。
生牡蠣をカクテルソースで
「長崎県諫早湾で養殖している牡蠣の8割が死滅した」というニュースを先月耳にした。 原因は猛暑で、8月に海水温が30度を超える日が続いた上、9月以降も水温が下がらなかったことだという。
暑かったもんなあ今年。 それにしてもこの猛暑め、オイの好物である牡蠣になんてことしてくれたんだまったく。 来年同じことしたらタダじゃ済まさんからなコノ。
さて。 生牡蠣に合う飲み物と言えば何が思い浮かぶだろうか。
友人は「やっぱりシャブリ!牡蠣にはシャブリ!でもそれは昔の話だともささやかれるが、でもシャブリ!」と言う。
ちなみにシャブリとは、フランスのブルゴーニュ地方で産する辛口の白ワインである。 ではなぜ、シャブリが牡蠣に合うのだろうか?
わらび餅
カミさんがわらび餅を買ってきた。
わらび餅という言葉は知っていたものの、そういえば現物ってどんなもんだったっけ? 早速包みを開けてもらう。
きな粉がまぶされていて、形は定まっていない様子。 ひとつ口に入れてみると、なじみの無いグミグミとした食感とやさしくひかえめな甘さ、そしてきな粉の素朴な風味が相まって、舌の上で消えていくかのように無くなっていった。 餅を食べている感じではない。
今 東光『毒舌 身の上相談』
ベスト10
相談者:「和尚がこれまで読んだ本の中からよかったものを10冊あげてみてください。」
今東光:「いい加減にしろよ、この馬鹿野郎! まずてめえが何冊か読んで、毎年のベスト10を選び、そのを積み重ねていった方が利口じゃないか。 そのベスト10の表を何年か経ってから見ると、自分が最初に決めたベスト10が割合幼稚だったなあということがわかるもんだ。そういう勉強の仕方をしろ、この薄馬鹿野郎! このオレに、八十歳のオレつかまえて、おめえの読んだ本のベストだって、畜生、いい加減にせい!」
白菜の古漬け
「そこの小道を入っていったところにあるらしいよ」
仄暗い路地を指差して彼は言った。 「へぇー。 で、美味しいの?」
「うーんアイツがいうにはナカナカな店だという話だったけど」
なんでも彼の知人が偶然見つけた店なのだとか。
こぢんまりとした店の前に立ち、壁面に張り出されているお品書きを眺める。 「ほぅ、イワシの刺身・・・何々、女将自慢のシメサバときたか。 そーかー、おでんの季節になったんだなあ・・・覗いてみるか」
「ガラガラガラ・・・」 「いらっしゃい」
真っ白な割烹着の女将さんが立っていた。 混んでいるが、幸いカウンターの隅っこがふたつ空いていた。
ビールを飲みながら注文をする。 「とりあえず、シメサバをお願いします」
女将:「ごめんなさいねぇ、今日は市場が休みだったから、シメサバ無いのよ。 刺盛りだったらなんとか作れるけど」
仕方がない。
「カキフライありますか?」
女将:「なんとか一人前はできますよ。 あとはねえ、これといって今日は市場が休みなもので、たいした料理が作れないのよ。 おでんだったら沢山あるけどいかが?」
言われたとおりにする。
極めて家庭的な味のするおでんだった。 かえってそれが、うれしかった。 熱燗をもらう。
メニューを眺めていると「漬物」とあったので、これもまたおふくろの味がするのかもしれんと思い注文してみた。
先ほど頼んでおいたカキフライが出てきた。 随分小ぶりなカキフライだ。 地ガキなのだろうきっと。 レモンを絞ってからつまんで口に入れた。
「?」
今、口にしたのはカキフライである。 だがしかし、カキではなかった。 まぎれもない、魚の味がした。 しかし、相方がつまんだのはまぎれもない、カキフライだったという。
目の前のカキフライをよく観察すると、微妙に形の違うフライが混じっていることがわかった。 それが、何かしら小魚のフライだったのだ。
「あのー、カキフライに混ざっている魚のフライは何なのでしょうか?」
女将:「ごめんなさいねえ、カキが残り少なかったから、ナントカていう小魚のフライを一緒に盛り合わせたのよ。」
なーるほど・・・。
はッ倒すぞ、この野郎!
思った以上によくできてしまった白菜漬けを切り分けてから器に入れ、ラップをかけて冷蔵庫にしまおうとしたところ、ラップは細長の箱から「ピッ」と5センチばかり出てきたところで終わってしまった・・・。 紙製の芯と、外箱のこすれる音が一瞬した。 これじゃあ包めない。 このやるせない気持ちったら無い。 もっと、なんちゅうかこう「もうじき無くなるサイン」を示すことはできないもんなのだろうかラップよ。
ラップの空き箱をゴミ箱へ投げ捨て、アルミホイルに手を伸ばした。 これでも十分代用できる。
そのアルミホイルは未開封のものだった。 銀色で横に長い角箱の、開封口をさがす。 ベリベリベリとワンタッチでめくりとれるあの部分を、くるくる回しながら探す。 が、どこにも見当たらない。 おもわず「あらー? こんなに見つけにくかったっけ?」と独りつぶやいてしまう。
少しイラリとしながら慎重に、箱をなめるように見回した。 そしてようやく見つけた。 やけに目立たない開封口だった。 早速そこをつまんで、横一文字に勢いよく引っ張った。 ベリベリベリと小気味よい音、感触を味わいながらアルミホイルは開封されるハズだった。
がしかし、その開封口は、半分ぐらいきたところでちぎれてしまった・・・。 3秒間、ちぎれたベリベリを手に持ったまま箱を凝視しつつフリーズした。
マグマのように血がたぎるのを感じた。
筒井康隆 『アホの壁』
ええがな
ある結婚式に出席した時のこと。 控室にいると、別の結婚式の親族がいる向かいの控室から、興奮した年配の女性の声が聞こえてきた。 サスペンダーを忘れてきた男性に向かって、代わりにベルトを締めるように言っているらしい。
「そうやがな、ベルト締めたらええがな。 サスペンダー忘れてきたんやったら、ベルト締めたらええがな。 そのベルトでええがな。 ええベルトやがな。 そうやがな。 ベルト締めたらええがな。 そのベルトでええがな。 そのベルト締めたらええがな。 そのベルト締めんかいな。 そやがな。 サスペンダーないねんさかい、ベルト締めなあかんがな。 そのベルトええベルトやがな。 それ締めたらええねん。 そやろ。 ベルト締めんかいな。」
声高にえんえんとやるのだが、誰もうるさいとは言わない。 結婚式でもあることだし、恐らくこの女性は結婚式だというので興奮しているのだろうが、そんな時でなくてもある程度はこうなのだろうから、みな慣れてしまっていて何も言わないのだろう。
筒井康隆 『アホの壁』より引用

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