鮒鮨(ふなずし)

何度つまんでも飽きのこない酒肴を挙げよ、と聞かれたら迷わず「鮒鮨!」と答えるぐらいフナズシのことを愛している。

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鮒鮓(ふなずし)とはニゴロブナのウロコ、エラ、ワタを抜いて塩漬けにしたものを、飯と交互に重ねて漬け込み、発酵させた馴鮨の一種だ。

大好物に挙げる人もいるが、独特の匂い、酸味がニガテだという人も多い。

はじめてふなずしを目にした時はたしかに若干身構えたが、口に入れた瞬間、舌の上に広がる発酵した飯のカドがない酸味、噛むともろく崩れながらもキュッとしまったフナの身の香り、塩気がたまんないったらありゃしない。

鼻腔の粘膜を刺激しながら抜けていこうとしているおいしさの集合体を逃したくないので口を閉じてかみ締めながら鼻からの呼吸を止める。 でもその爽快さを味わいたくなってくるので何度も鼻からの呼吸を繰り返す。 快感。

そこへ最近好きな辛い日本酒を蕎麦猪口でグビッとヤルともう、テレビも電気も全部消して真っ暗闇の中、鮒鮨と酒だけにスポットを照射し、只ひとりでずーっと飲んでいたい、そんな気持ちになる。

酒が飲め、鮒鮨が口に合う体に生まれてきたことをここに感謝! そうだ、母の日には鮒鮨を送りつけてやろうかな。 でもシバかれるだろうなあたぶん。

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