河童のミイラ:松浦一酒造

佐賀にカッパのミイラがあるという話をずいぶん前に聞いたことがあった。

ぷちぐる掲示板にて佐賀出身の「しまこさん」に尋ねてみたところ、やはりあるという話だ。 松浦一酒造に河童のミイラはあるらしい。 早速行ってきた。

松浦一酒造は佐賀県伊万里市にある。 ドライブがてら高速道路を使わずに向かう。 道中、子供たちの好きなバイオパークやハウステンボスを通り過ぎ、三河内焼き、臥牛窯等つい寄り道したくなるような所を見つけるも通り過ぎる。 立派な日本家屋がよく目に付き、流れる川の広さ、山々の雄大さについ見とれてしまう。 佐賀っていい所。

迷うことなく松浦一酒造に到着した。 駐車場は広々としている。 河童の描かれた看板の矢印通りに進む。

酒タンク

駐車場から10メートルぐらい歩いたところでお店を見つけた。 引き戸をあけて「ごめんくださーい」と息子が言う。 奥から女性が出てきて隣の蔵から入るように言われる。

松浦一店舗

蔵の入り口には直径50センチぐらいの酒林が吊ってある。 まさしく酒屋である。

松尾様

内部には昭和30年代まで使われていた酒作りの道具や農機具が並べられている。 いち早くカッパのミイラを拝みたい気持ちはあるが、こんなに面白そうな物ばかり並べられると素通りするわけにはいかない。 ひとつひとつじっくりと観察する。

サトー式

サトー式稲麥汲機。 眺めていると、この時代に行ってみたくなる。(麥→むぎ)

木製歯車

木製の歯車。 歯のひとつひとつは手作業で加工しているようだ。 欲しい。

古いバイク

TWNというエンブレムのあるいかにも古そうなバイク(トライアンフ?)はピカピカにレストアされていて、大事そうにガラスケースに収められている。

他にも大人3、4人は楽に入るであろう大釜や、大小様々なカッパ系アイテムの数々などが展示されている。 そしていよいよ、カッパのミイラである。

カッパのミイラ

カッパのミイラは蔵の一番奥に祭られていた。 ちょうどヒザをまげてうつぶせになり、うずくまるような格好をしており、顔だけはこちらを見ている。 その姿は、普段想像するカッパとは違う。 頭に皿はないようだ。

じっと見つめているうちに、はてどこかで見たことがあるような気がしてきた。 案内してくれた蔵の女性によると、以前にテレビや雑誌などで大々的に紹介されたことがあるらしい。 なるほどじゃあそれを見たことがあったのだ。

河童のミイラ

でもなんでまた酒蔵にカッパのミイラが? 由来は次の通り。

松浦一酒造では「ウチには何か物珍しいものがあるらしい」という話が代々語り継がれてきたらしく、50年ほど前に屋根を替えた際、大工が梁の上にくくりつけてあった箱を見つけたそうだ。

その箱には「河伯」と記され、中にはミイラが入ってあったというわけ。 これが祖先から伝わる珍しいものに違いないということで、神棚を作り、水神様としてまつるようになったのだとか。(パンフレットを参考にした)

実に面白い言い伝えである。

カッパの前に手紙がいくつか置かれてあり、子宝がどうこうという内容のようだった。 蔵の女性に尋ねてみると、13~17代目までは子宝に恵まれず、ずっと養子をとっていたところ、17代目の時に河伯が見つかり、その後子宝に恵まれたそうな。

身内の間でこれは河伯のおかげだと話していたところ、それが周囲にも広がってゆき、子宝の神様としても崇められるようになったそうだ。 手紙は、感謝状であった。

たまたまカミさんは妊娠中だったので、その話を聞いてから態度は一変し、お賽銭を入れて熱心におまいりしていた。

大満足。 無事河童のミイラを見ることができた。 さて、どっかで食事でもして帰るか、と考えるのはまだ早い。 ここは酒蔵である。 当然ながら酒があるのだ。

松浦一純米大吟醸

河伯の手前の部屋には、松浦一酒造で作られている酒がズラリと並べられている。 松浦一の純米大吟醸と純米吟醸を購入した。 今晩楽しむ予定なので味はまだわからない。

調子にのって、酒作りの見学ができるかどうか尋ねてみると「あ、たしかまだ今大吟醸を絞っている最中だと思います。 ちょっと聞いてみますね」 と女性は奥へ姿を消した。

しばらくして、奥へ案内して頂いた。

所狭しと巨大なタンクが並べられており、数名の男性が今まさに作業中であった。

もろみの香りが湧き立っている。 そこへ立っているだけでもう幸せな気分だ。

松浦一酒造社長

杜氏であり、松浦一酒造の社長である男性(興奮のあまりお名前を聞かなかった)田尻泰浩氏に少し話を聞くことができた。

今年の米は少し柔らかくてちょっと難しく、味が多すぎる感があるらしい。 なんとも専門的な内容である。 日本酒に関するいくつかの質問にも穏やかに快くお答えいただいた。(忙しい中ありがとうございました)

酒、もしくはカッパ、さらには子宝に興味のある方は是非一度、松浦一酒造に足を運んでみてはいかがだろうか。

松浦一酒造

正徳6年(1716年)創業。 290年にわたり、松浦地方で一番になりたいと銘柄へ願いを込めて、酒を造り続けている。

  • 〒849-4251 佐賀県伊万里市山代町楠久312
  • TEL 0955-28-0123
  • FAX 0955-28-1455
  • メール info あっと matsuuraichi.com
  • http://www.matsuuraichi.com

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コメント(4)

オイさん、早速行かれたのですね!
確かに私もテレビで観たことがあります。
実物を見て、ご家族の反応はいかがでしたか。
私も子供を早く授かりたいし、カレーも気になるし、これは行かなくては。
そう、松浦漬けも美味しいですよ。

kappa :

お酒の味はいかがでしたか?
松浦一酒造の杜氏兼社長(名ばかりで雑用係をやっています)名前は 田尻泰浩と申します。
よろしくお願いします。
HPのアドレスが変わりましたのでここでお知らせしときます
URL http://www.matsuuraichi.com
E-mail info@matsuuraichi.com

オイ :

社長さんからコメントいただくなんて感激です。
松浦一の純米大吟醸、大切に楽しみました。

御社のURLを変更し、メールアドレスを付け加え、社長さんのお名前を掲載させていただきました。

また、お伺いさせていただきます!

河童のミイラは初耳でした。こちらは竹細工で河童も作ってみましたが……。「欲しい」と言って頂ける方は少ないものですね。HPに一部掲載しておりますので宜しかったらご覧下さい。

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