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2007/01/11

メジャーに走る店

yakitorim

昔よく通った焼き鳥屋に顔出してみると、内装が大分かわっていた。

店の広さは同じなのだが、座席数が圧倒的に増えている。 人気店だし席増やさないと入れないしな。 そりゃー当然だ。 しかし、座席一つ一つの間隔がやけに狭い。 カウンターで飲んでいて両となりを別の客に挟まれようものならば、窮屈すぎて焼き鳥なんか食ってらんない。 砂ずりを手に取り歯でくわえ、串を横に引き抜こうとするが、うっかりすると、となりの客に裏拳をかましてしまう危険性がある。 であるからこの店のカウンターで飲むときは、一番スミの席に座らねばならないということがわかった。

座敷。 これも狭くなっている。 座敷に座るならばくつろぎたい。 すこし飲みすぎたときには手を後ろについて、天井を仰ぎたい。 しかしこの店の座敷ではそれができない。 真後ろにはすぐ、ほとんどスキマなく「ついたて」があるのだ。 掘りごたつ式の座敷に腰をおろすと、くつろぐどころかこれはまさに飛行機のエコノミークラスに乗っているような気分だ。 狭い!

店は狭いが焼き鳥は相変わらずウマイ。 ウマイからまあよしとしようか。

焼き鳥屋でいっぱい飲んだら、帰りは当然ラーメンをススって帰る。 満席でないように祈りながらフラフラしながら店の前に着くと、客はわんさか入っているが、あいにく空いてる席がある。 このラーメン屋もまた人気店である。

「チャーシューメン」と注文し、到着までしばらくビールでも飲んでボーっとしている。 周囲からは「替え玉バリカタで」とか「替え玉やや固」とか「替え玉やや柔」とかいう罵声が飛び交っている。 その「やややわ」とはなんであるか。 「替え玉やややわ」に過激に反応したオイは「やややわ」の注文主のほうを見る。 一見おとなしそうなビジネスマン風のK1武蔵似の彼がやややわの注文をした人物だ。 「やややわ」と注文して安心したのか、しきりに持参したのであろう雑誌をK1武蔵然とした態度で、K1武蔵風に読みふけっている。 やや柔らかい麺が好きなのかキミは。 「柔め」ではいけないのか。 「やや柔」と「柔」はいったいどのくらい柔さが違うのか食い比べたことがあるのかキミは。 という風に目で訴えかけていたところ、チャーシュー麺が運ばれてきた。

チャーシューメンは、普通のラーメンがチャーシュー2枚であることに対して、なんと5枚も多い計7枚のチャーシューがのっけられている。 敷き詰められているチャーシューにより、ネギはおろか麺はおろかスープさえも見えない。 一見するとチャーシューだけを丼に盛っているかのように見える。 チャーシュー一枚の厚さはおよそ3ミリ。 チャーシューは厚いに限るが、まあ3ミリもあれば満足と不満足のちょうど真ん中ぐらい。 上等でしょう。 とまあこれがこのラーメン屋の基本的なチャーシューメン。

しかし、今目の前にあるチャーシューメンはあきらかにこれとは違い、麺が見え見えである。 見え見えである上に、薄薄である。 割り箸でつまめないぐらいに薄く切ったチャーシューが7枚乗っけられているわけである。 オイは「チャーシュー麺チャーシューはやや薄で」なんて注文した覚えはないのであるがとにかく薄すぎる。 よくもまあこれだけ薄くチャーシューを切ることができたものだとそのラーメン屋夜の部スタッフ盛り付け係を見上げると同時に、この薄薄のチャーシュー7枚は、全部重ねてみてもおそらく7ミリ程度にしかならないであろうという見積もりを一瞬でたてた。

通常のチャーシューは、3ミリであるわけだから、7ミリのチャーシューでは2枚と1ミリのチャーシューしかとれないはずである。 普通のラーメンを注文するとチャーシューが2枚乗っているわけだから、今回チャーシューメンを注文したにもかかわらず2枚分プラス1ミリのチャーシューしか乗せられていないということになる。

普通のラーメンは500円であることに対し、チャーシューメンは650円である。 150円多く払ったのに、1ミリのチャーシューが一枚増えただけとはなにごとかっ! 責任者でてこい! とおもわず吠えそうにもなったが、もしかすると今日は客が多すぎてチャーシューの在庫が乏しくなったのかなとか、このスタッフはまだ新人なのでチャーシューの厚みを心得ていないのかなとか、温かい目でみることにした。 だってこの店のラーメンはおいしいのだ。 あ、あれこれ考えているうちに麺がやややわになってしまったではないか。

数日がたち、再びそのラーメン屋に向かう。 今回はお昼である。 もう何年も通っているので、いつものスタッフ3人は皆顔なじみである。 チャーシューメンを注文する。

運ばれてきたチャーシューメンは期待に反し、あの夜の薄薄チャーシューへと変貌していた。 ガッカリである。 これはお店の方針として、チャーシューの厚みを変えたに違いない。 しかしこうも極端に厚さが違うと、なんだか非常に損したような気分になる。 昔は違った。 切れ端のチャーシューや失敗作の半熟煮玉子をお土産にくれたりと、フレンドリーな雰囲気のお店であった。 しかし今はどうだ。 店舗数が増えるにつれ、チャーシューは薄くなり、スタッフの威勢のよいかけ声ではなく雑談が飛び交いニコリともせず、徹底していた麺の湯きりはおそろかになり麺の茹で汁がスープの味を汚し、麺の茹で加減も日によってバラバラ。 柔すぎたり固すぎたりする。 これでは「やや柔」や「バリ固」なんて注文する意味が無い。 「麺の固さはどうされますか?」なんて聞かれても「あなたまかせでお願いします」というよりほかにないのである。

とくに基幹店の廃れ方がヒドいので、もうこの基幹店には行かないことに決めた。 一店舗だけはまだ昔のなごりのあるお店があるので、少し遠くなるがそちらへ足を運ぶことにしよう。 だってこのお店のラーメン美味しいんだもの。

食い物屋って、メジャーに走るにつれて味がマズくなると誰かが言ってたが、これはまさに本当である。 有名に、大きくなるのは非常によいことだとは思うが、あなたのお店の今この味やサービスが大好きなのだという客がいることもどうか忘れないでほしい。

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