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2006/11/02 雑記

地獄の温泉たまご

zigoku

温泉タマゴとは何か?

手元にある広辞苑で調べてみたが、のっていない。 じゃ、フリー百科事典、ウィキペディア:Wikipediaで調べてみるか。

温泉たまごとは、「卵黄は半熟、白身は半凝固状態に茹であげた鶏卵のこと」と、記載されてある。 そう、イメージどおりの 解説である。 しかし世の中には、こうした常識的概念にとらわれない自由な発想から作り出された温泉タマゴもあるわけだ。  実際この前食べてきたので、今回は温泉たまごの話をひとつ。

先日、雲仙で温泉に入ってきた。 その日の朝思いつきで、アポなしで雲仙で温泉に入ろう!と、決めた。

雲仙はいわずと知れた温泉保養地であり、「地獄」が有名である。 地獄とは、地下から蒸気が噴出しており、 その表面は、マグマが冷えて固まったかのようなボコボコした質感であり、硫黄の匂いが立ちこめる一帯である。  その地獄めぐりをしている最中、目の前にコチラにオシリを向けて中腰になってゴソゴソしているおばちゃん二人組みに遭遇した。

zigoku_oba2

近寄ってみると、温泉タマゴ売りのおばちゃんと、その客であった。 「あ、温泉タマゴね。 買ってみようか。」と立ち止まる。 なんでも本場で食ったほうがウマイ。 北海道に行けばカニ食って帰らないと損したような気にもなるし。 温泉タマゴは、ひとつ150円である。

「おばちゃん、ひとつちょうだいよ。」と話しかけると、普通のと、特上のがあるという。 普通のが100円で、特上が150円なのだそうな。  せっかくなので、特上を2個買うことにする。

zigoku_obat

チャリンとおばちゃんに300円を手渡し、タマゴを2個取ろうとすると、待てという。 なんでもおばちゃんが自ら温泉たまごをむいてくれるとのこと。 そうですかと、目の前でむいてもらうことにした。 温泉タマゴをコンコンとやり、パリパリとまるで普通のゆで卵をむくかのような手つきで殻を取り除いていく。 そしてツルリとしたタマゴの白身が現れた。 「ホホ、さすがに毎日むいているだけあって速いね、おばちゃん。」 なんて語りかけたわけだがまてよ、白身がツルリンとしているではないか。

オイは温泉タマゴ屋のおばちゃんから、温泉たまごを購入したはずである。 がしかし、半分だけ殻から顔を出している白身は、ツルツルの卵肌ではないか。 上でも書いたが、

温泉たまごとは、卵黄は半熟、白身は半凝固状態に茹であげた鶏卵のことである。

とwikiにも書いてあるし、オイもいままでそうだと考えていた。 しかしこの雲仙の温泉タマゴ屋のおばちゃん製の温泉タマゴは、白身がガチガチなわけだ。 ちょっとイヤな予感がするし。

おばちゃんにツッコミたくもなったが、半分だけ殻をむかれた温泉タマゴを手渡され、その人の良さそうなおばちゃんには、なにも言えないまま温泉タマゴを受け取った。 もしかすると、おばちゃん的に、白身はどうだってイイのかもしれない。 おばちゃんの温泉卵に対するこだわりとは、黄身の半熟加減の素晴らしさなのかもしれない、と考えて、さっそくパクリとやる。 すると、現れた黄身は・・・・、芯までしっかりと熱が通っていて、半熟どころではない。 半熟にかすりもしない、普通ーのゆで卵だったわけだ。 よって口の中が黄身でボソボソになりながら、「t、ちょっとおばちゃん、これって温泉たまごじゃなくて、ゆで卵ですよね?」と、やんわり尋ねてみた。 するとおばちゃんはこう答えた。

「いんや、それは温泉タマゴです。 私が作りました。」とアタマっから疑問を否定された。 そりゃそうである。 非常に目立つ黄色い看板には、「地獄蒸し 温泉たまご」と、堂々と書かれてあるわけだから。 「でもねおばちゃん、そもそも温泉たまごというものはですよ、」と、思いの丈を語ろうとも思ったけど、やめた。 売ってる本人が温泉タマゴって言ってるんだし。 だまって食べよう。

zigoku_tamago

しかしこの温泉タ、いや、何の変哲もないゆで卵ではあるが、マズいものじゃない。 なんだ、よく見てみれば、お店の前にちゃんと殻をむいたサンプルを出しているじゃないの。 これじゃー文句はいえないな、ハハハ。 でも、サンプルは若干半熟になってるじゃないか。

大体普通のだという100円のほうの温泉タ、いやゆで卵には、「特大」なんて書かれているけど、となりの「特上」と、大きさが同じじゃないか。 それじゃなにかい、普通のタマゴと比べて特大ということなのかい。 いや、オイの経験的に、このタマゴは、せいぜいL程度の大きさでしかないはずである。 きっと、おばちゃんの感性的に、特大と見えてしまうのかもしれない。

taurin

ち、ちょっと待った。 特上のたまごなにか書かれている! あぶないあぶない、見逃すところだった。 一個手にとってみる。

たうりん

特上の温泉タマ、いや、ゆで卵には、ひとつひとつすべてのタマゴに「たうりん」と、鉛筆で書かれているわけである。 「たうりんって、あのタウリン? リポビタンDの?」

タウリンとは

タウリンとは、アミノ酸の一種であり、消化作用を助ける働きがある。 タコ、イカはタウリンを多く含むんでいる。 人間、、ネズミにとっては体内で合成できるため必須アミノ酸ではないが、ネコははタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての必須アミノ酸である。

-以上タウリンについてwikipediaより-

「鳥の食べ物が違います」って、宣伝文句で書いてあるけど、これって「たうりん」を含んだエサを食べている鳥が産んだ卵を温泉タマゴもとい茹で卵にしましたという解釈でまちがっていない? と、おばちゃんに尋ねてみると、なんとこんな答えが返ってきた。

「いーや、普通のタマゴと特上を区別するために、特上にはたうりんって書いてるの」

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だ、そうだ。 これを聞いて、オイはその場で本当にタマゴを吹いた。 だって、おばちゃん面白すぎるよ。 おばちゃんがタマゴに鉛筆でたうりんたうりんって書いている様子が目に浮かびましたよ。

区別する為だけならばさ、○印だってイーじゃない。 何故それをわざわざ「たうりん」と、書くのか。 もはや、このおばちゃんに関しては不明である。

温泉たまごのおばちゃん、オイ、イロイロ言っちゃったけど、全然不満じゃないんだ。 むしろ、面白かったよ。 今度地獄にきたときも、是非温泉タマゴをおばちゃんから買いたいと思います。 体に気をつけて、がんばってください。 と、心で言いながら、「リガタンシタ」と言うおばちゃんを後に、ゆで卵を手にもちながら、地獄めぐりをする。 思わぬ所で時間をとったので、足早に巡る。 温泉にも入らないといけないわけだし。

metyaumai

ウィキペディア:温泉たまご
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94&oldid=8278877

付録:ぷちぐる / 半熟卵の作り方

※温泉卵にも2種類ある。 ひとつは長時間煮熟させた「煮抜玉子」、もうひとつは熱湯に入れて5、6分後に取り出すもの。 温泉たまごを殻ごとヌカ漬けにしたのは、中国の塩玉子の応用。 卵の殻には小さな気孔があり、それを通じて中身がヌカ漬けになる。

“地獄の温泉たまご” への2件のフィードバック

  1. 小貫 弘文 より:

    はじめまして、
    箱根大涌谷の温泉玉子はクロなのに、雲仙のは写真で見る限り、玉子に色の変化が見られません。何がどう違うかを教えてもらえませんか。

  2. オイ より:

    はじめまして。 そうですね、記憶を思い返してみても、普通のゆで卵の色をしていました。 どうして色に違いがあるのか、残念ながら存じ上げません。 温泉の成分に関係があるのかもしれないですね。

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